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3Dプリンターを使ったクッキー型の作り方!初めてでもCADで簡単

3Dプリンターでクッキー 3Dプリンターの仕事
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現在1歳の子の育児に奮闘しながら、以前から気になっていたCADの資格を取得し、建築系の会社でCADオペレーターをしています。

業務で2DCADだけでなく、3DCADも扱うようになって以来、どんどん3Dに興味がわき、家事育児の合間をぬって自宅でも3Dモデリングをしたりしています。

せっかくデータを作成したのだから、実際に3Dプリンターで造形してみたい!ということで、今回はクッキー型を作成することにしました。

クッキー型といえば、欲しい形にマッチする市販品がなかなかない上、身近に様々な型をそろえる調理器具の専門店などないですよね。

そこで3DCADと3Dプリンターでクッキーの型を作成して、好きな形のクッキーづくりに挑戦してみました。

今回は失敗から成功まで、3Dプリンターを使ったクッキー作りの一部始終をご紹介します。

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3DCADを使ったクッキー型の3Dデータ作成

まずは3DCADを使って、型を作成していきます。

今回は3DCADのひとつであるライノセラスを使用して作成しました。

データを作成するソフトがない、という方には3Dデータを無料提供しているサイト(モデラボ)があるので、お好みの形のものをダウンロードするという方法もあります。

モデラボ

今回は以下のくまのフリーの画像データをトレースしながら作成していきます。

クッキー用クマのフリー画像

クッキーも組み立てて立体できるような形状で、以下のように体と足を別に作成していきます。

作成したい立体クッキーイメージ

曲線ツールで画像をトレースしつつ、線をオフセットしてデータを押し出して立体にできるようにしていきます。

線をオフセットしてデータを押し出し

曲線が閉じた状態でないと押し出しができないので、曲線の状態を確認しながらトレースをしていきます。

曲線の状態を確認しながらトレース

押し出しを行い、立体にします。

押し出しを行い、立体にする

外枠のくりぬく部分と、顔などをスタンプのようにクッキー生地に押し当てる用の部分に分けてデータを作成します。(赤着色部がくり抜く用、黒着色部はスタンプ用)

型とスタンプ

サイズは幅約6センチ、高さ約8センチくらいで作成しました。

サイズ

3Dプリンターでクッキー型を印刷

データが完成したところでいよいよ印刷です。

3Dプリンターはカインズホームでレンタル

すぐに印刷したいところですが、3Dプリンターを所持しているわけではないため、今回はカインズホームのカインズ工房さんの3Dプリンターレンタルを利用します。

こちらは事前予約制で30分350円(フィラメント代込)で3Dプリンターを利用することができます。

カインズ工房さんの3Dプリンターレンタルの詳細については以下の記事を参考にして頂ければと思います。

早速予約を行い、カインズホームへ。

3Dプリンターで印刷実行

手続きを済ませて、データをPCに取り込みます。まずは外枠部分を印刷していきます。

まずはカインズホーム工房のスライサーソフト(STLデータを印刷用データに変換するソフト)に3Dデータを取り込みます。

30分後、印刷完了です。

3Dプリンターで印刷した型を使ってクッキー生地を作成

3Dプリンターで印刷した外形の枠でクッキー生地を型抜き

まずは生地を作って、外形の枠で型抜きします。

外形の枠でクッキー生地を型抜きする

型抜き後のクッキー生地

内側部の型を押し当てクマの顔を作成

次に型抜きしたクッキー生地に別途作成した内側部の型を押し当て、顔などの形を作成します。

顔用スタンプ

スタンプ後のクッキー生地

スタンプ後のクッキー生地1

クッキーをオーブンで焼く

最後にオーブンで焼いていきます。

クッキー完成

焼き上がりを見守ること15分・・・

顔などの部分はちゃんと形になってくれました。

が、生地の膨張により想定したように足部分がうまくはまらず・・・設計時に足の間隔をもっと広くとった方が良かったようです。

とはいえ、なんとか形にはなってくれました。

あとは美味しく家族でいただきました!

3Dプリンターでクッキー型の印刷の失敗事例

実は上記の成功事例の前に失敗も経験しました。

スライサーソフト(STLデータを印刷用データに変換するソフト)に3Dデータを取り込む際、「サイズが大きすぎる」とエラーが表示されてしまいました。

どうやらSTLデータに問題があったようです。

3Dデータの修正はカインズホームのPCではできないので、自動修復でサイズを縮小し、ひとまず印刷をかけてみました。

外枠部分を印刷

自動修復でサイズを縮小

30分後、印刷が完了。

外枠の印刷後(上面)

外枠の印刷後(側面)

結果は、やはりサイズが1/2になってしまい、造形にも乱れが出ています。

他の外枠部位(足部分)も印刷してみたところ、同様の現象が起きてしまいました。

外枠部位(足部分)の印刷後

型の外枠部のサイズが当初のものと変わってしまったのですが、型内側のスタンプ部分も印刷をかけてみます。

1時間後、印刷結果を確認してみると、フィラメントがごちゃごちゃの状態に。

印刷機側のフィラメントの不具合もあったかもしれませんが、データ作成時点の不具合もありそうです。

フィラメントがごちゃごちゃの状態

改めて作成した3Dデータを確認しつつ、失敗の原因を考察してみました。

データ変換時の問題

3DモデルデータからSTL変換時に不要なデータが発生してしまったようです。

というのも、変換時に不要なレイヤーを削除しきれていなかったため、印刷時のデータ修復がなされ、結果全体サイズが約1/2ほどになってしまいました。

サイズの縮小により、曲線部の造形が細かくなりすぎて、フィラメントに不具合が生じました。

データ作成時の問題

内側スタンプのデータについては、XY平面上に配置しておくべきデータがごくわずかに斜めに配置されてしまっていた。

今回はデータ部分に不備があったようですが、3Dプリンター造形時の失敗要因としては、機器側の問題(フィラメント排出部分のノズルの不備、温度調整の不備など)もよく起こる事象なので、印刷の際には注意が必要です。

失敗してしまいましたが、良い勉強になりました。

クッキー型作成にかかった時間とコスト

データ作成には1時間ほど、印刷には2時間ほどでレンタル費用は1,400円でした。(失敗分は除く)

クッキー型レベルのサイズ感であれば、1~2時間で1つ2つ印刷できるかと思います。

大量に作成する場合は、プリンターを購入して自宅で作成したほうが良いですが、いきなりプリンターを購入するのは敷居が高い、そこまで頻繁に使用しない、といのであればレンタルの活用がより安価に作成できる方法かと思います。

なお、現在はクッキー型作成用の3Dプリンター「ニンジャボット・クッキー」が4万円ほどで販売されています。

型作成専用ソフトが付属されており、3DCAD等がないという場合でもデータを作成することができます。

3Dプリンターで印刷したクッキー型は販売も可能

3Dプリンターで作成されたクッキー型はminne、Creema、メルカリなどでも販売され、3Dプリンター造形作品の中でも人気の商品です。

価格は1,000円くらいの相場で販売されています。

アイディア次第で様々な型を作成することができ、オリジナリティが活かせる商品となっています。

まとめ

やはり実際に印刷してみないと思い通りの形に形成されるかわからないのが、3Dプリンターの難しいところです。形状が複雑になればなるほど、使用する機器のクセやデータの作成の仕方に工夫がいるので、何度も印刷して調整していくことが必要だと痛感しました。

次回の造形に活かしていけたらなと思います。なおクッキーはなんとか型抜きして、おいしく家族に食べてもらいました。

この記事を書いた人
編集長

当サイトの記事はデジタルエンジニアリング業界に20年以上従事している編集長とCADオペレーターやCGクリエイターの現役、経験者が書いています。CADやCGで悩みがある方はコメントくださいね!

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