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CAE技術者はやめとけ?年収や待遇を現役エンジニアが本音で語る

CAEを使えるようにする CAE技術者の仕事
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様々なモノづくりの場面でCAEが当たり前のように使われています。

各企業とも現物の試作品を作らずに、CAEを使って強度解析や固有値解析、流体解析、熱解析などコンピューター上でシミュレーションすることで開発コストの削減を実現しています。

今回、CAEソフトを扱うエンジニアの年収や待遇、やりがいなどを現役の技術者が語ってくれましたのでご紹介します。

もしすぐにでもCAE技術者をやめて、転職したいと思っている場合は以下に転職エージェントをまとめてありますので参考にして頂ければと思います。

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専任者CAEと設計者CAEの違い

専任者CAEと設計者CAEの違い

CAE技術者にはいくつか種類があります。良く言われるのが専任者CAEと設計者CAEです。

この呼び方は会社によって違うかもしれませんが、意味合いとしては以下の感じです。

  1. 専任者CAE・・・専任でやるケースで、難解で大規模データを使ったCAEが多い。手法の確立、標準化も担う
  2. 設計者CAE・・・設計者が設計の中でCAEをやるケースで、専任者の内容よりは簡単なケースが多い。専任者にて確立された手法を使うことが多い。

本記事内では、専任者CAEと設計者CAEの両方の事例をご紹介します。

CAE技術者はやめとけ?辛いところは?

CAE技術者の辛いところを挙げるとする一般的に以下のようなものがあります。

  1. パソコン作業が多いので目や肩が疲れる
  2. CAE結果と実物評価の結果が合わずに文句を言われる
  3. 製品不具合が出ると検証のために残業が多くなる
  4. 設計者を支援する立場になりがちで評価が見えずらい
  5. CAE解析を行うための入力情報を集めるのに苦労する
  6. 企画、開発、製造と様々な部署と交渉したりコミュニケーションが必要

ただ技術の進歩により辛くなる所もありますし、エンジニアとして乗り越える壁もあります。

より製品開発に責任を持ち、決定権を持ちたいのなら設計者に職種変更していけば良いですし、ある程度、自分次第で変えていけるのは間違いないです。

CAE解析に向いている人

専任者CAEと設計者CAEで若干向いている人が異なると思います。

ただどちらにしても、モノづくりが好きな人が向いていると言えるでしょう。

専任者CAEに向いている人

専任者CAEの方は、より解析専門になり、様々な物理現象を解析したい人向きです。

実験をコンピューター上で模擬してシミュレーションするわけなので、どういった拘束条件や果汁条件を付けるか?

メッシュをどのように切るか?解析結果の整理や分析をどのようにやるか?

上記のようなことを突き詰めていくので、設計者に比べると打合せは少なく、コンピューターに向かった黙々とやるような感じです。

幅広くやる設計者に比べて、専門領域に特化して深堀していく人が向いているでしょう。

設計者CAEに向いている人

設計者CAEの場合は、設計者がCAEを使うということなので設計業務に向いているかどうかで考えれば良いです。

設計者となると形を決めるために、様々な情報を整理する必要がありますし、そのために色んな人と打合せも必要です。

工場に行く必要もありますし、自分の設計した製品に責任を持つ必要もあります。

なので専任者CAEに比べてよりフットワーク軽く動く必要があります。

CAE技術者の将来性や業界動向

結論から言うと、CAE技術者は今後ますます必要とされるでしょう。

どの業界も現物での試作を減らして開発コストを下げなければなりませんし、市場の多様性にこたえるためにも開発期間も短縮していく必要があります。

そのためには、CAEなどのデジタルエンジニアリングを駆使して今まで現物で行ってきた実験や試験をバーチャル上でやる必要があります。

そうなるとその白羽の矢が当たるのがCAE技術者になるのです。

3Dデータを使った3DのCAEから、次元を落とした1Dシミュレーションなども活発に行われてきているので、そういった業界動向はあるとは思いますが、少なくともCAE技術者が不要になるということは考えにくいです。

電機メーカーの開発部門で機械設計+CAE技術者(男性・29歳)

電機メーカーの開発部門で機械設計+CAE技術者(男性・29歳)

電機メーカーの開発部門で正社員として機械設計の仕事をしています。

夫婦共働きで子供はまだいません。

実際の業務ではANSYSを使った強度解析やクレイドルのソフトを使った熱解析をしています。

メイン業務で解析の仕事をしているわけではなく、設計の業務の中の1つに解析があります。

私が解析を使用する場面としては基本的に2つあります。

  1. 1つは基本設計段階で製品の試作品を作る前に解析で構造の強度や電気部品の発熱量などを確認することで設計が要求仕様を満たすか確認することです。
  2. もう1つは不具合が起きた時になぜ起きたのか検証するためです。

月給は使い切り、お小遣いは夫婦で2万円ずつ

去年1年の平均月給は残業代や各種手当込みで30万円程度です。手取りは23万円程度です。

ボーナスは100万円程度なので年収としては460万円程度になります。

メーカーの収入としては妥当なところだと思っています。

生活費の内訳としては家賃が8万円、水道・ガス・光熱費合わせて2万円、食費5万円、雑費3万円、インターネット・スマホ代は1万円となります。

お小遣いは妻と2万円ずつになります。基本的に給与はもらった月に使い切ります。

ボーナスは8割程度貯金に回しています。

私はあまりお金を使わないのですが、妻は少し浪費癖があるのでなかなか思うようにお金がたまりません。

昨年結婚式を挙げたため貯金も大部分がなくなりました。

私の妻はパートをしているので年間100万円程度の稼ぎがありますが、これから子供が生まれるとパートの稼ぎは無くなります。

産休育休が取れる正社員の奥さんをもつ方を羨ましく思います。

私の会社は日本メーカーにありがちな年功序列なので家計が楽になるような昇給はすぐには望めません。

自分の設計の答え合わせができるのがCAEのやりがい

CAEの仕事は面白いと思います。業務の中でも解析は好きです。

自分の想定していた結果と解析結果が一致したときは嬉しいですし、自分の設計が間違っていなかったと自信にもつながります。

解析をするとそれっぽい結果がすぐに出てしまいます。

その解析は結果が正しいか判断することが最も難しく非常に頭を使います。

メッシュの切り方にしても一筋縄ではいかないことが多く、苦労することは多いのですが、その割に軽視されがちだと思います。

確かに解析はメッシュを切ったりパラメータを設定したりして実行すると解析終了までは特にやることがないので暇を持て余してしまう時もあります。

基本的には結果が出るまでの間に別の仕事をするのですが、気分が乗らない時は解析をしているふりをして休むこともできます。

結果が出るまで時間がかかることもあるので時間を有効に使うスケジュール管理能力も必要です。

でも解析はPCが勝手に全部やってくれて担当者の能力はあまり関係ないように見られています。

かなり頭脳の必要な業務ですし、有効に活用できると設計品質や業務効率も格段に上がるのでCAE関連の仕事はもっと尊重されてもいいはずです。

自動車や橋・建物のCAE技術者(男性・28歳)

自動車や橋・建物のCAE技術者(男性・28歳)

卒業後、地元愛知で、CAEを主業務としている中堅の設計事務所に正社員として勤務しています。

CAE技術者歴3年目の28歳(男)です。

CAEソフトの入ったPCの中で自動車や橋・建物など色々なものを壊して、その状況から様々な提案をする会社です。

簡単に言うと、いわゆる物理シミュレーションといえるような技術が売り物になっています。

PCでの解析の結果、それをもとに設計変更をしたり改善策を考えて提案します。

愛知地区の 大手自動車メーカー・鉄道・電力会社がクライアントになっています。

基本的には使用するソフトは2つあります。

  1. CAE疲労耐久解析ソフトウェア nCode DesignLife
  2. 計算に必要な数値を入力し、結果をアニメーション等様々な手法で表示するソフト

解析ソフトの使い方は、2ケ月間の研修があり、その研修を完了すると客先に出ても大丈夫なレベルに仕上げられます。

大学で建築工学からCAEエンジニアへ

大学で工学部で建築関係の勉強をしてきました。

大学は関西圏の国立大学で、基礎工学部で建築について勉強しました。

ただ、2回生の前期までは教養ですが、機械系の学習をかなりさせられるのでCADもつかえるようになりました。

そのあと建築系の勉強を詰め込んだので、機械系のことは小型車のエンジンとかぐらいまでは、何とか対応しています。

現場で求められるのは、建築系関連も、機械系関連もあります。ただ今の機械系関連の仕事はシンプルな構造のものが多いので、何とかなっています。

振り分けするほど、依頼があるわけでもなく、要員も少ないので、両方できないと中小企業は生き残れないです。

福利厚生が充実!計算力学技術者に資格取得で給料UPめざす

福利厚生が充実!計算力学技術者に資格取得で給料UPめざす

年収は520万円です。

完全月給制で、不定期に昇給年1回、定期で賞与年2回があります。

大学の同窓生のの話とかを聞くと、私の会社は待遇・福利厚生が厚いと感じています。

一応、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険は完備していて、今どきですが、寮もあり、費用一部負担になっています。

通勤手当(月3万円まで)が出るので、助かってはいます。

また資格試験受験料補助の制度があり、費用的にも、社内での後押しする空気感の醸成に非常に役立っています。

  1. 情報処理技術者試験・・・コンピュータを扱う仕事をする者として最低限の知識は必要です。
  2. 計算力学技術者(CAE技術者)・・・即使える知識もたくさんありますので、CAE技術者を志す者は取得しておくべきと考えます。
  3. 技術士・・・技術者として最高峰の資格になります。私は②の方の資格は、今年取得することが出来ました。

将来的には技術士を目指そうと思っています。

仕事自体が、山谷があり山の時は家に帰れず、会社の会議室で泊まることもありますが、谷の時は定時に帰社できます。

その為、その時にのみに行ったり。旅行に出かけたりするようにしています。

CAEスキルアップの社内制度が充実

私の会社においては、同業の中では比較的社員を大切にする会社だと考えています。

他社においては、CAEエンジニアとして必要な資格を持っているか否かで、評価がされるようですし、採用の時にもそれだけしか見ていないような感じがしています。

私の会社では、まず入社後は、初期教育として、みっちり2ヶ月間のカリキュラムで、CAEについてしっかりと勉強を余儀なくされます。

ただ、かなりしんどいです。

そして、その後は、新卒で入社した社員の場合はその後社内で受託している案件の中から、少しずつ実務を体験していき、配属後も“1年間のOJT”という流れになります。

他社からの中途採用の社員の場合は、OJTの期間が短かくなります。

また、会社に入ってからは社員の継続的な成長をサポートする講習会や発表会が用意されています。

具体的には、社員が主体となって行う月に一度の講習会では、ソフトの使い方だけでなく、物理現象や構造物自体の理解などがテーマにとりあげ、社員全体の底上げが図られます。

CAEエンジニアの取り合いのような業界であるのは事実なので、社員の愛社精神をはぐくんんでいるのは、一定額の給料の確保だけではダメで、社員一人一人のレベルアップに寄与する待遇を与えることだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?既に現物を使わずにバーチャル上でCAEを使ってシミュレーションする世界は既に主流になり、今後ますます加速していくことでしょう。

そんな中で今後、CAE技術者を目指す人や、より条件の良い会社に転職を考えている方もいらっしゃると思います。

転職する上で重要なのはCADやCAE、機械設計に強い転職サイトや転職エージェントに登録することです。

専門のキャリアコンサルタントもいる場合が多いので、自分の現状の経歴を説明したうえで、転職先について相談してみましょう。

登録は無料です。転職ついて迷いがある場合も動き始めることで気持ちも整理されると思います。

この記事を書いた人
編集長

当サイトの記事はデジタルエンジニアリング業界に20年以上従事している編集長とCADオペレーターやCGクリエイターの現役、経験者が書いています。CADやCGで悩みがある方はコメントくださいね!

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