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国土交通省の戦略からみるBIMモデラーの需要と業界予測

国土交通省の戦略からみるBIMモデラーの需要とユーザーが取るべき行動 BIM・CIMオペレーターの仕事・年収
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2次元CAD、3次元CADの次の技術として建築分野ではBIMという技術が注目されています。

BIMとはBuilding Information Modelingの略で、3Dモデルに部材の材質やコストなどの建築に必要な情報を付与したモデルになります。

これにより様々な工程が自動化できるということで、日本の労働者減少の対策の一つとして国土交通省も注目しています。

今回は、国土交通省のBIMに関する戦略を見ながら、BIMモデラー(BIMオペレーター)の需要を予想しつつ、BIMモデラーになるためにはどうすればよいか?現在CADオペレーターとして働く人たちが備えておくべきことは何かを書きたいと思います。

編集長
編集長

CAD業界に20年以上働いている者としてBIMの今後について書きます。

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国土交通省のBIM戦略とは?

国土交通省のBIM戦略とは?

国土交通省では建築BIM推進会議を定期的に開催し将来像について議論しています。

まずは、その会議の中からBIMの将来に関する情報を見ていきましょう。

2023年までにBIM/CIM完全移行

国土交通省は2023年までにBIM/CIMの完全移行を目標に掲げています。

もともと2025年を目標にしていたようですが、コロナの影響もあり2年前倒しの2023年に上方修正したようです。

詳細は、2023年までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIM原則適用、それに向け、2021年は大規模構造物の詳細設計で原則適用となっているようです。

今までの仕事のやり方を変えるとなると大きな力が必要です。

実務レベルで言わせると、今の仕事のやり方ではだめなのか?別に今のままで困っていない。など、特にBIMに移行する理由が分からないなどの声もあるでしょう。

ですが、もう少し大きな視点に立ち、国家的な課題などを考えると、BIMが必要で、それを国土交通省がリーダーシップを発揮して移行を推進しているので本気度を感じます。

BIM活用状況アンケート

BIM活用状況アンケート

国土交通省が推進中のBIM移行ですが、実際のところ活用状況はどうなのでしょうか?

国土交通省は、2020年12月~2021年1月で建築BIM推進会議に参加する13団体に、建築分野における現時点のBIMの活用・普及状況のアンケートを取りました。

部署単位で2363のアンケートを配布し回答数は813(回答率34.4%)だったとのこと。

以下にアンケートの回答内容を抜粋します。中々興味深い内容だと思います。

BIM導入状況

  1. BIMの導入状況は、「導入している」が46%(376)、 「導入していない」が53%(434)
  2. 設計分野については、総合設計事務所の導入率が約8割、専門設計事務所が約3割
  3. 施工分野については、総合建設業、専門工事会社のいずれも概ね約5割

BIMを導入した時期

  1. BIMを導入している企業の導入時期は、「最近~3年前」が約45%
  2. 分野別・規模別にみた場合、いずれも大規模になればBIMの導入は早期となる傾向

未導入の会社における今後のBIM導入について

BIMを導入していない企業(部署)は、概ね半数が導入に興味がある。総合設計事務所の関心が高い傾向。

BIMを導入していない理由について

この回答が興味深かったですが、回答数が多かったものが抜粋していて、以下の順番で回答数が多かったです。

  1. 発注者からBIM活用を求められていないため
  2. CAD等で現状問題なく業務を行うことができているため
  3. BIMを習熟するまで業務負担が大きいため
  4. 業務上の関係者からBIM活用を求められていないため
  5. BIMを活用する人材がいないため、人材育成・雇用に費用がかかるため
  6. BIMの導入効果を詳しく知らないため

アンケート結果から言えること

回答数は決して多くはありませんが、回答から言えることはBIMの導入はまだまだ過渡期と言えるでしょう。

確かに現場目線では今のCADで仕事は回っていますが、今後、国レベルの課題である労働人口の減少を目の当たりにしたり、BIMの効果や、海外での成功例なども認知されると、大手ゼネコンや設計事務所も一気にBIMに移行、すると成果物の要求もBIMモデルになり、追従して中小企業もBIM移行を余儀なくされるでしょう。

なので、そうなる前に、今のうちから備えておくことが個人としても企業としても賢明だと思います。

BIMモデラーの育成が重要

BIMモデラーの育成が重要

国土交通省の建築BIM推進会議の内容を見ていると、BIMモデラーの育成の重要性が示されています。

BIMソフトを使ったモデル化を少ない人数の中で使いこなせるようにすることは難しく、海外ではBIMモデラーの育成を行っている。

したがって、BIM/CIM適用規模拡大のためには、日本でも必要になってくる、と言われています。

したがって、今後、国土交通省によるBIMモデラー育成の施策が打たれてくるでしょう。

  1. BIM/CIM教育要領の作成、公開
  2. BIM/CIMポータルサイト【試行版】の公開
  3. BIM/CIM活用ガイドラインの作成、公開

今のところ、上記のようなものが考えられているようです。

BIM/CIM教育要領

BIM/CIM教育要領の案では以下のようにスキルを入門、初級、中級、上級の4段階に分け、それぞれ何を習得しておくべきかが明記されています。

(1) ⼊⾨
• 『BIM/CIM活⽤ガイドライン』に使⽤している⽤語を理解できる。
• 建設分野の課題及び、BIM/CIMの意義と⾃⾝が担当する実務との関りが理解できる。

(2) 初級(当⾯の普及⽬標)
• BIM/CIMに関する基礎的な技術として、3次元CADの基本的な操作⽅法(従来︓図⾯の閲覧 等)を習得する。
• 『BIM/CIM活⽤ガイドライン』を理解し、⾃⾝が担当する実務においてBIM/CIM活⽤項⽬を設定(BIM/CIM活⽤業務・⼯事単位)することができる。また、授受する資料等を確認することができる。

(3) 中級
• BIM/CIMに関する技術として、3次元CADを利⽤した操作⽅法(従来︓図⾯の修正 等)を習得する。
• 『BIM/CIM活⽤ガイドライン』に従い、⾃⾝が担当する実務を効率化することができる。

(4) 上級
• BIM/CIMに精通するとともに、関連する複数の実務を含めて効率化することができる。
• BIM/CIMに関する適切な指揮、指導を⾏うことができる。

BIM/CIM活用ガイドライン

BIM/CIM活用ガイドラインには、以下のような内容が書かれています。

  • BIM/CIM 活用の目的
  • BIM/CIM の効果
  • 測量業務、設計、施工など各段階でのBIM/CIM の活用
  • BIM/CIM の将来像
  • 実際のBIM/CIM モデルの作り方

国土交通省は一度、作ったBIMモデルを修正しやすくしたり、別のソフトで一から作り直しにならないように、CADやBIMソフトが持つパラメトリックの機能を使うよう推奨しています。

パラメトリックモデルに準拠した3次元データを作成することで、複数のソフトウェア間にてデータ交換を⾏っても、パラメトリックなモデルとして受け渡すことが可能。

この別のソフトが変わってもパラメータを引き継げるのはすごいですね。

機械系の3DCADだと別ソフト間はさすがにパラメータを引き継げないことが多いです。

ただ機械系のCADオペレーターですと普段からパラメトリック機能を使うことが多いので、このメリットをイメージしやすいかと思います。

いずれにせよ、BIMモデラーとしてその場限りの3Dモデルを作るのではなく、後で流用したり活用できるモデルをパラメトリック機能を使って作るスキルが求められます。

この辺りもBIMモデラーになりたいと思っている人は、今のうちから習得しておいた方が良いでしょう。

国総研DXセンターの概要

国総研DXセンターを立ち上げ、以下のようで全体を支援していくようです。

①BIM/CIMモデル等の3次元データを⼀元的に集約し活⽤するセンターを設置
②ソフトを持たない⺠間企業でもCIM活⽤を可能とするため、DXセンターが最低限のCIMソフトを搭載
③外部の有償ソフトでも利⽤可能
④国⼟交通データPF、電⼦納品システムと連携

イギリスがBIM先進国

BIMが進んでいるのはイギリス

国土交通省では日本の建築業界の設計段階のBIM活用において、2次元図面が正、3次元図面 が副であるという思想になっていてはBIMも普及していかないと危惧しているようです。

イギリスではBIMモデルを正とし2次元図面はBIMモデルから切り出したものを用いることで、整合性の確保と3次元モデルを主とした仕事のやり方を実現できていると聞きます。

国土交通省では21年度に策定する「3次元モデル成果物作成要領」において、3次元モデルを作成した後に2次元図面を作成することを基本とする旨を明記するとのことです。

実は、これって機械系では既にやっていることなんです。

機械系の3大CADであるCATIA、Creo、NXでは3Dでモデルを作り、それを2D図面として貼っているだけなので、3Dが正で、3Dモデルと2D図面の整合性も取れています。

機械系にも様々な属性を3Dモデルに付与するというBIMの考え方があり、3D図面や3DAといったりします。

しかし、国土交通省のような省がところが引っ張っているというより、JEITAやJAMAが進めているのが違いです。

CADオペレーターが取るべき行動

CADオペレーターからBIMオペレーターへ

アンケート結果から分かるようにBIM導入は道半ばの状態です。

しかし、求人情報などを見ていると、BIMの求人が意外と多いのが目立ちます。

中にはBIM未経験でも「社内研修によりスキルが身に付きます」と勧誘しているところもあります。

何が言いたいかというと、このBIMの導入状況にも関わらず、求人は十分あるとすると、今後、本格的な移行となった際は、更に求人が増えるということになります。

今からでも遅くない!BIMの勉強をスタート

BIMの需要増に気づいたときに勉強をし始めるよりかは、今、2DCADや3DCADのオペレーターをやっている方は少しずつBIMの勉強を始めましょう。

今ならまだBIMモデラーも不足しているので価値があり、先行者利益を享受できます。

CADの未経験者については、CADでなくBIMから始めるのも良いでしょう。

BIMの独学方法や資格などは以下にまとめてありますので参考にしていただければと思います。

BIMオペレーターへの転職

CADオペレーターとして働いている方で今の会社がBIM導入を全く考えていないとするなら転職するのも手です。

その会社でBIMを習得し、今度はBIMを推進する立場になる事をオススメします。

どの時代も周りを巻き込みコトを起こす人は重宝されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は国土交通省のBIMに関する戦略を参考にしながら、BIMの需要予測や今、CADオペレーターのかたが、今後身に付けるべきスキルや、その習得方法について書いてみました。

現役のBIMオペレーターの方の年収や仕事内容については以下の記事を参考にしていただければと思います。

CADオペレーターの悩みや相談はこちらまで

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